近年、全国各地で未曾有の集中豪雨、地震などが頻発し過去には予測できなかった災害が発生している。どのように県民の生命、財産を保全していくのか。我々政治家も、これまで、洪水対策、土砂災害対策、道路防災など災害に強い県土づくりに邁進してきた。

地球温暖化の影響も大きく、災害は大型化し、常襲化していく懸念がある中で、現状の厳しい財政状況からは、総ての危険箇所をハード整備で多い尽くすことは困難である。県土をある一定レベルの安全サイドへ導くため、ハード対策と命を守るソフト対策を効果的に講じていくことが重要である。通り一辺倒のソフト対策でなく、地域の特性、自然条件等に配慮し地域住民を安全に的確に避難し易い工夫が必要である。安全な県土づくりは我々政治家に与えられた責務であり、これまで以上に、災害に強い県土づくりにしっかりと汗をかいて取り組む覚悟である。

昨年7月の浜田市を襲った豪雨は、60分最大雨量、24時間最大雨量であり、ともに昭和58年豪雨に匹敵するものであったが、三隅川上流に建設したダムが出水を制御し、下流への流木流出を抑えて災害を防ぐなど、これまで進めてきた社会資本の整備が大きな成果となって現れた。これは、一つの成果事例であるが、こうした成果を広く県民にご理解をいただき、これからも休むことなく対策・整備を推し進めていくことが、我々政治家の果たすべき役割と改めて強く感じている。

 

一方、道路関係では、県を東西に連結する国道9号は防災面、医療活動、物資輸送等に限界を生じる中、新たな県の大動脈たる山陰道整備は県政の最重要施策の一つとして取り組んでいる。県内全延長約194キロのうち昨年末時点での開通済みは、まだ約6割(115キロ)であるが、今年3月18日には朝山・大田道路(6.3キロ)が開通し、多伎・朝山道路(9.0キロ)も平成30年度に開通予定となっている。

今、まさに島根には新しい活力が必要である。若い方々が島根に住み、働き、安心して子育てができる豊かな環境を創ることが大事である。そのために、着々と整備が進むこの大動脈を如何に活用するのか。人口減少対策や若者定住対策に資するよう島根県民総意のもとで、しっかりと取り組む必要がある。これからも高規格道路の推進と共に地域間連携に必要な幹線道路の早期整備に引き続き取り組む覚悟である。

島根県が掲げる「地方創生事業」の中でも中山間地域、離島地域は大きな課題である。厳しい財政事情や人口減少問題を抱える中で「小さな拠点づくり」構想を推進するためには、通行止め道路の解消、商業・医療等の存続のため地域コミュ二ティ道路の整備が急がれる。この道路は地域住民が安心・安全に生活できる必需品であり、その整備に当たっては最善の効果を上げるよう道路整備の手法にも工夫をして行う必要がある。

我々政治家もより良い効果が実現できる施策の実現に向け取り組む所存である。